日々の業務に追われる中で、ふと立ち止まって経営について考える時間は取れていますでしょうか。
「社員が帰った後に、一人で溜まった仕事を片付けている」 「現場が落ち着いている隙を見つけて、これからの計画を練りたい」
そう考えて夜遅くまでデスクに向かう経営者の方も多いかもしれません。 前回の記事では「部下に任せること」の重要性をお伝えしましたが、今回はその続きです。
「任せて空いた時間で、社長は何をすべきなのか?」
もし、あなたが「現場の穴埋め」や「雑務処理」で貴重な時間を使っているなら、要注意です。 今回は、会社の成長を左右する「社長の時間の使い方」について、Q&A形式で考えます。
【Q1】まとまった時間が取れた時こそ、私が溜まっている現場の仕事を片付けるチャンスだと思っているのですが?
A. それは「社長の仕事」ではなく「社員」の仕事です。
誰もいない静かなオフィスで、誰にも邪魔されずに実務をこなすのは、確かに効率が良いかもしれません。しかし、厳しいことを言えば、それは「現実逃避」です。
社長の本来の役割は、「今の仕事」を回すことではなく、「未来の飯のタネ」を見つけることです。 あなたが現場の仕事(To Do)を消化している間、誰が会社の3年後、5年後の舵取りを考えているのでしょうか?
社長が現場作業に安住してしまうと、会社は「現在」の維持に精一杯になり、「未来」への投資が止まってしまいます。 日常業務から少し離れ、PCを閉じて、ノートとペンだけを持ち、「思考する時間」を確保してください。
【Q2】「重要事項」を優先すべきとは分かっていても、毎日のトラブル対応(緊急事項)で時間が消えていきます。
A. トラブル解決で得られる「達成感」の中毒になっていませんか?
目の前のトラブルを解決するのは、分かりやすい成果が出るため、実は心地が良いものです。「俺がいないとダメだな」という自尊心も満たされます。これを「火消し中毒」と呼びます。
しかし、社長が優秀な火消し役である限り、現場は火の用心(仕組みづくり)を怠ります。 「緊急ではないが、重要なこと」――例えば、人材育成プランの策定、新規事業の構想、企業文化の醸成など――は、締め切りがないため、意識して時間をブロックしない限り永遠に先送りされます。
「緊急事項」は部下に任せ、「重要事項」だけをあなたが握る。 この線引きができない限り、会社はいつまでたっても自転車操業から抜け出せません。
【Q3】では、意識的に思考の時間を作って、具体的に何を考えればいいのでしょうか?
A. 「Why(なぜやるのか)」と「Who(誰のために)」の再定義です。
普段の業務では「How(どうやって売るか、どう効率化するか)」ばかりを考えがちです。 思考の空白を意識的に作り、原点に立ち返ってください。
- なぜ、私たちはこの事業をしているのか?(ミッションの再確認)
- 私たちが本当に幸せにしたいお客様は誰だったか?(ターゲットの再確認)
- 今の延長線上に、ワクワクする未来はあるか?(ビジョンの点検)
忙しい日常の中で、会社の軸が少しずつズレてしまっていることがあります。 そのズレを修正し、コンパスの針を正しい「北」に合わせ直すこと。これこそが、明日からの業務で全社員を迷わせないための、社長の最も重要な仕事です。
まとめ:「忙しさ」に逃げず、立ち止まる勇気を持つ
F1カーがピットインなしで走り続けられないように、組織もリーダーも、適切なメンテナンスなしには最高速度を出せません。
「忙しさ」を言い訳にして、思考を停止させないでください。 あえて「緊急の仕事をしない時間」や「未来を妄想する時間」を持つこと。それが、今後のあなたの指揮を、より鋭く、力強いものに変えるはずです。
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プロフィール
一般社団法人未来に輝く企業づくり研究会
中村秀和
社員がイキイキと働き、会社が成長する仕組みづくりを支援することで、未来の子ども達が希望を持てる社会をつくるこを目指して活動しています。
事業の成長と発展でお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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