あなたの会社は社会から必要とされ続けていますか?|企業の存在意義を問い直す「3つの問い」

この記事はMiraQラジオ リニューアル第1回の内容をもとに構成しています

「社長、まだひとりで抱えますか?〜MiraQラジオ〜」は、経営者も社員も一緒に学べるコミュニティ「MiraQ(ミラク)」がお届けするポッドキャスト番組です。リニューアル後は毎回テーマを設け、より深く掘り下げていく番組へと進化しました。音声で聴きたい方は、お使いのポッドキャストアプリで「MiraQラジオ」を検索してください。

「うちの社員、なんで変わらないんだろう…」

そんな悩みを持つ経営者の方に、まず問いかけたいことがあります。

あなたの会社は、社会から必要とされ続けていますか?

社員が変わらないのは、社員の問題ではないかもしれません。「何のためにこの会社で働くのか」という存在意義が、経営者と社員の間で共有されていないことが根本原因であるケースが非常に多いのです。

▶ この記事のポイント

企業の平均寿命は約23年。30年以内に約8割が消滅する時代に、社会から必要とされ続ける会社であるためには「存在意義の再定義」が不可欠です。本記事では、経営者が答えるべき3つの問い(なぜ存在するのか・何屋なのか・どう届けるのか)と、存在意義の再定義で大きく成長した中川政七商店・ヤッホーブルーイングの事例を紹介。「言葉を揃える」ことが組織にムーブメントを起こす理由を解説します。

企業の平均寿命は「23年」──ただ存続するだけでは足りない時代

皆さんは、企業の平均寿命が「23年」と言われていることをご存知でしょうか。さらに、創業から30年以内に約8割の企業が消滅してしまうという厳しいデータもあります。

では、企業がただ存続するだけでなく、世の中から必要とされ続けるためにはどうすればよいのか。

その答えは、「自社がなぜ存在するのか」という問いに、経営者自身が明確に答えられるかどうかにかかっています。

私が28年間、200社以上の中小企業を支援してきた中で、10年以上にわたり安定成長を続けている企業に共通しているのは、「自社の存在意義」が経営者の中で明確であり、それが社員にも浸透していることです。逆に、業績が低迷し始める企業の多くは、「何のためにこの事業をやっているのか」が曖昧になったタイミングで歯車が狂い始めていました。

自社の存在意義を問い直す「3つの問い」──パーパス経営の出発点

自社の存在意義を社会に伝え、社内の判断軸として機能させるには、以下の「3つの問い」に答えられることが非常に重要です。

問い①:なぜ自社がこの社会に存在するのか?(Why)

これは経営理念やパーパスの核心です。「利益を上げるため」ではなく、「社会のどんな課題を解決するために存在するのか」。この問いに経営者自身の言葉で答えられることが、すべての出発点になります。

問い②:その目的を果たすために、我々は何屋をしているのか?(What)

「製造業」「サービス業」という業種の分類ではなく、「顧客にとって自社はどんな価値を提供する存在なのか」を再定義すること。後ほど紹介する中川政七商店さんの事例は、まさにこの「何屋か」を再定義したことで飛躍しました。

問い③:どのような方法で、必要とする人へ価値を届けるのか?(How)

存在意義(Why)と提供価値(What)が定まったら、それをどう届けるか。競合と差別化された独自の方法を見つけることが、事業戦略の核になります。

経営者の方へ:3つの問いに答えてみてください

この3つの問いに、今すぐ自分の言葉で答えられますか? もし少しでも迷うなら、それは「考える時間を持てていない」サインかもしれません。まずは一人で30分、静かな場所でこの3つを書き出してみてください。そして、その答えを幹部と共有してみてください。「判断軸が揃う」という感覚が、必ず生まれます。

「言葉を揃える」ことでムーブメントを起こした2つの事例

存在意義を再定義し、社内の「言葉」を揃えることで大きく成長した企業の事例を紹介します。

中川政七商店──「麻織物の問屋」から「日本の工芸を元気にする会社」へ

奈良県で300年続く中川政七商店さんは、元々「麻織物の問屋」でした。しかし、自社の存在意義を「日本の工芸を元気にする会社」と再定義したことで、社員の自己概念が大きく変化しました。

「自分たちは麻を売っているのではなく、日本の工芸文化を守り、広めているのだ」──この言葉が社内に浸透することで、活発な議論が生まれ、事業領域が大きく広がったのです。

ヤッホーブルーイング──「ビール会社」から「クラフトビール文化を届ける会社」へ

大手のガリバー企業がひしめくビール市場において、ヤッホーブルーイングさんは単にビールを売るのではなく、「クラフトビールという文化を日本の人々に届ける」という存在意義を掲げました。

この言葉があったからこそ、社員は「売上を上げる」ではなく「文化を広める」という視点で仕事に向き合い、それが熱狂的なファンコミュニティ(ムーブメント)を生む原動力となったのです。

2つの事例に共通するポイント

中川政七商店さんもヤッホーブルーイングさんも、「何を売るか」ではなく「なぜ存在するか」を言語化したことで飛躍しました。これは大企業だからできたことではありません。むしろ中小企業の方が、経営者の言葉がダイレクトに社員に届くため、存在意義の再定義が組織に与えるインパクトは大きいのです。

存在意義が浸透するまで──経営者が「本気で伝え続ける」覚悟

存在意義を定めても、最初から社員全員が共感してくれるとは限りません。むしろ、冷ややかな反応をされるのが普通です。

しかし、経営者が本気で、熱量を持って繰り返し伝え続けることで、徐々に想いは浸透していきます。一度の朝礼では変わりません。日々の業務判断で「これは理念に沿っているか?」と立ち返り、会議で「我々はこのためにやっている」と語り続ける。この愚直な積み重ねが、組織の文化を変えます。

「自社を成長させたい」は自分視点──社会側の視点で考える

MiraQの定例研究会に参加された経営者からは、こんな気づきの声が寄せられています。

「会社の発展を考える時、社会がどう変化するかという逆の視点で考えることの大切さに気づきました」

「自社を成長させたい」というのは経営者視点です。社会は「誰のどんな悩みを解決してくれるのか」を見ています。社会側の視点から自社のリソースをどう活かすかを考えること──これが存在意義を問い直す本質です。

「考え続ける」ことが会社の軸を創る

「深いテーマで簡単に答えは出ないのですが、考え続けることで会社の軸が作られるという感覚があります」

会社の存在意義や、日々の仕事の意味に明確な正解はありません。しかし、思考停止せずに「なぜこの仕事が必要なのか」を考え続けることが会社の軸を作り、社員一人ひとりの仕事のやりがいにも繋がっていきます。

よくある質問(FAQ)

Q:企業の存在意義を再定義するにはどうすればいい?

A:3つの問いに答えることから始めます。①なぜ自社がこの社会に存在するのか、②その目的を果たすために我々は何屋をしているのか、③どのような方法で必要とする人へ価値を届けるのか。これらに明確に答え、社内で判断軸として共有されている状態をつくることが鍵です。

Q:存在意義を社員に伝えても浸透しない場合はどうする?

A:最初は冷ややかな反応をされるのは自然なことです。大切なのは経営者が本気で、熱量を持って繰り返し伝え続けること。日々の業務判断やミーティングの中で理念に立ち返る習慣を経営者自身がつくることで、徐々に組織に浸透していきます。

Q:企業の平均寿命は何年?

A:約23年と言われています。さらに創業30年以内に約8割が消滅するというデータもあります。ただ存続するだけでなく社会から必要とされ続けるためには、自社の存在意義を明確にし、時代の変化に合わせて再定義し続ける必要があります。

まとめ:存在意義が明確な会社は、社員も社会も動かす

改めて、「3つの問い」を振り返ります。

問い①:なぜ自社がこの社会に存在するのか?(Why)

問い②:その目的を果たすために、我々は何屋をしているのか?(What)

問い③:どのような方法で、必要とする人へ価値を届けるのか?(How)

これらに明確に答え、社内で「我々はこのためにやっている」という判断軸が揃っている状態をつくること。それが、企業の存続と発展の鍵であり、社員が自ら考え動く「自走する組織」の出発点です。

自分の言葉で口に出して伝えること。他の方の意見を取り入れて、自分の中の軸が強くなっていくこと。その繰り返しが、会社を次のステージへ導きます。

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プロフィール

一般社団法人未来に輝く企業づくり研究会
中村秀和

社員がイキイキと働き、会社が成長する仕組みづくりを支援することで、未来の子ども達が希望を持てる社会をつくるこを目指して活動しています。

事業の成長と発展でお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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